電車の中にわすれものをしまして。
ここ



電車の中に、袋を忘れた。

気づいた時には、もう遥か彼方。
保管場所は、まさかの千葉中央警察署。

いや、遠いわ。

しかも、そんな高級な袋でもない。
限定品でもない。
「まぁ…最悪、また買えばいいか」
と思った。

ところが。

いざ買い直そうとすると、好きな柄がもう残ってない。

えぇぇぇ。

別にそこまで執着してなかったはずなのに、
“妥協した柄を買う”
となると、急にイヤになる不思議。

そんな話をしていたら、ワンコ友達さんが、

「近いから、取りに行こうか?」

と、神みたいなことを言ってくださった。

なんという優しさ。

……なのだが。

その瞬間、
あたしの脳裏に浮かんだ。

中、何入ってたっけ。

出かけ際、
たしか靴下を突っ込んだ気がする。

なんか、わさわさ詰めた気もする。

しかも、そういう日に限って、
あとで見ると意味不明な物が入ってたりする。

「なぜこれを持って出た?」
みたいな。

だめだ。

だめだだめだだめだ。

絶対頼めぬ。

人格を疑われる。

ということで、
「やっぱ諦めます」
という結論に、一度はなった。

が。

そういえば、
ずっと行ってなかったお墓参り、
千葉方面だった。

じゃあ、もう行っちゃうか。

ということで、
千葉中央警察署まで、行ってきましたぁぁぁ。

警察署の駐車場で車を降りた瞬間、
ふわっと磯の香り。

「あぁ…遠くまで来たなぁ」

と、謎の旅情。

そして中へ。

まず、
遺失物届を書かされる。

そういうの、電車に忘れた時って頭にないじゃない?

で、
待つ。

待つ。

待つ。

しかも、その日はなぜか、
“ちょっと迫力ある系”の方々が多め。

長椅子には、
荷物をびら~~っと広げ、
足もびら~~っと広げ、
「今日はもう何もしたくないです」
みたいな空気を放つ人たち。

そして、座れないあたし。

立ちっぱなし。

お友達に来てもらわなくて、
本当によかったと思った。

こんな長時間、
人の忘れ物に付き合わせるの、
申し訳なさすぎる。

そして、ついに袋登場。


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水筒は、
中身を全部出して、
洗ってくれていたらしい。

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ありがたし。

で。

問題の中身。

……

……

……

やっぱり言えない。

一つだけあげてみると

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いやほんと、
お願いしなくてよかった。

こんなぐちゃぐちゃに物を詰め込む人、
いる?

と、
帰り道、
海の匂いをかぎながら、

「なんで、あの日の自分、
あんなにカオスだったんだろう」

と、
ずっと考えていたのでした。




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それにしてもさ、1つのわすれものをしたがために、何人もの人が動く?
わすれたものを、こんなにご丁寧に預かってくれるなんて。
不思議な気がした(笑)
誰かの困りごとを、社会全体で処理して返す
ほんと、ありがたし。
それを、もういらない。と言ってしまうのも、どうかと反省した。
どんなものでも、ご丁寧に扱ってくれて、取っておいてくれるのだから、
ちゃんと、取りに行こうと思うのでありました。